【登辞林】(登記関連用語集)


[し]

(じゅん) (1)期間を表す単位。一月を3分したときの10日間、または、10日間前後。(→上旬)(→中旬)(→下旬
(2)10年。

準委任 当事者の一方が相手方に対して、法律行為でない事務の委託をすることで、委任の規定が適用される(民法第656条)。

順位の変更(→抵当権の順位の変更) 

準共有 地上権抵当権、著作権等、所有権以外の財産権を複数人で有する状態。特別の規定がない限り共有の規定(民法第249条〜第263条)が準用される(民法第264条)。

準禁治産 民法の一部を改正する法律(平成11年12月 8日法律第 149号)が平成12年4月1日に施行された際、改正前の民法に規定されていた、判断能力の著しく不十分な者及び浪費者の保護を目的とする制度で、一定の者の請求により、家庭裁判所が「準禁治産の宣告」をするというもの。準禁治産の宣告がなされると、戸籍に記載がされる等、利用しにくい制度であったため、保佐の制度の制定により、判断能力の著しく不十分な者に関する準禁治産の制度については廃止されたが、浪費者に関する準禁治産の制度については、なお、存続する。民法改正前に戸籍に記載された判断能力の著しく不十分な者の準禁治産に関する事項は、後見登記に移行することができるが、当然に移行されるものではなく、当事者の申請が必要となる(後見登記に関する法律附則第2条第2項)。又、戸籍に記載された、浪費者の準禁治産に関する事項については、今後も戸籍に記載がされる(戸籍法附則(平成11年12月8日法律第152号)第6条第2項)。

準禁治産者 民法の一部を改正する法律(平成11年12月 8日法律第 149号)が平成12年4月1日に施行された際、改正前の民法に規定されていた、判断能力の著しく不十分な者及び浪費者で、「準禁治産の宣告」をされた者。準禁治産者には、保佐人が付された。改正民法附則3条2項により、「準禁治産者」のうち、判断能力が著しく不十分であるとして準禁治産の宣告を受けた者は、「被保佐人」と、「(準禁治産者の)保佐人」は、「(被保佐人の)保佐人」とみなされるが、「準禁治産者」のうち、浪費者であるとして準禁治産の宣告を受けた者は、引き続き「準禁治産者」とされる。

準婚 婚姻に準ずる関係。内縁は、準婚であるとされ、一定の保護が与えられ、婚姻に関する規定が類推適用される場面がある。

準商行為 会社法施行前の旧商法において、営利を目的とする社団で、商行為をすることを業とはしないが、旧商法の規定に従い設立したもの(民事会社)の行為。商行為に関する規定が準用された(旧商法第52条第2項、第523条)。会社法においては、会社がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は商行為であるとされたので、会社に関して、「準商行為」の概念は無い。商行為を行うことを業とする者ではないが、商人とみなされる者(擬制商人)の行為については、旧商法第523条のような規定が存在しないため、「準商行為」として商行為に関する規定が適用されるとする解釈と、商行為に関する規定は準用されず、民法の規定が適用される、とする解釈がある。

準消費貸借 消費貸借によらないで金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約し、これにより消費貸借が成立したものとみなされた契約(民法第588条)。売買代金の支払債務を、爾後、借入金債務とすることなど。

純粋共同根抵当 同一の債権の担保として、複数の複数の不動産に設定した共同根抵当(広義の共同根抵当)のうち、根抵当権設定登記と同時に共同担保である旨の登記をしたもので、民法第392条及び第393条(共同抵当)の規定が適用されるもの(民法第398条の16)。「累積根抵当(累積式共同根抵当)」に対比して「純粋共同根抵当」と呼ばれ、通常、「共同根抵当」と言うと、「純粋共同根抵当」のことを指す。

準正 非嫡出子嫡出子となること。父母の婚姻、及び、父の認知が要件とされる。婚姻と認知の前後によって「婚姻準正」と「認知準正」に分けることが出来るが、準正の効果はどちらも父母の婚姻時に発生するとする説が有力である。子がすでに死亡していた場合でも準正の効力は生ずる。
父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で20歳未満の者は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる(国籍法(昭和25年5月4日法律第147号)第3条第1項)。

準占有 債権、抵当権等、物以外の他人の財産権を自己の為にする意思を持って行使すること。占有の規定が多く準用される。債権の準占有者に対してした弁済は、弁済者が善意・無過失であった場合に限り、その効力を有する(民法第478条)。

準則主義 法人設立の考え方の一つで、法律の定める要件を満たして登記をすることにより、許可などを要することなく、当然に設立が認められるもの。株式会社、労働組合、中間法人、監査法人司法書士法人管理組合法人等が該当する。(→特許主義)(→強制主義)(→許可主義)(→認可主義

準袋地 池沼、河川、水路、海を通らなければ、公道に出ることができない土地。又は、崖があり、公道とに著しい高低差があり、そのままでは公道に出るのが困難である土地。(→袋地)(→囲繞地通行権

準法律行為 意思表示によらないで法律上の効果を発生させる行為。準法律行為は、「表現行為」と「非表現行為(事実行為)」に分類される。「表現行為」には「意思の通知」「観念の通知」「感情の表示」が含まれ、社員総会の招集通知や債務の承認などがそれにあたり、狭義では、この「表現行為」のみを準法律行為と言う。「非表現行為」には、無主物先占(民法第239条)、遺失物の拾得(民法第240条)、埋蔵物の発見(民法第241条)、事務管理(民法第697条)などが含まれる。(→法律行為

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